カルメンは猿

カルメンのレッスン。速い上に力強い音が要る。力強く弾こうと思って力を入れてしまうと音が汚いうえに速く動けない。


「親指の力を抜いてください」


へ?親指?
とにかくやってみる。
あまり上手く力が抜けたような気もしないが、


あれ、まあ!
とたんに弓が弦に食いつく。


「押しつけようとして力が入ると、結局親指にも力が入って弓を持ちあげちゃうんですよ」


なるほどぉ。猿になれば良いのね。


猿は物をつかむのに親指を使わない。歩いたり走ったりするときには広がっているし、木の上を歩くときには親指が広がっているが、木にぶら下がる時やお芋をつかむ時も親指は他の4本の指と同じ向き。弓を持つ時は猿の手ね。



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