動きを言葉で伝える

チェロを習い始めて1年。習っていて思う事、言葉で伝えるって難しい。

ある技術、ビブラートでも、もっと根本的に右手の脱力でも何でもそうなのだが、教えてもらうときは言葉で教えてもらう。もちろん、先生のお手本があって音も頼りではあるし、時には先生が弓や腕に手を添えて動かし方を示してくれることもある。

しかし、どこのどんな部分、すなわち筋肉にどんな順番で、どんな力が入って抜けていくのかは分からない。

上手な人たちは皆ほぼ同じようにやっているはずなのだ。腕を脱力して腕の重みで弾いていると感じている時は、共通している運動のパターンがあるはずなのだ。どこかの力は抜いていて、別のどこかはしっかり力を入れて動かしているから弓は動くし音も出ているのだ。

しかしそれを言語化することは難しいようだ。おそらく多くの芸事はその部分を解析し伝えるという手段を採ってこなかった。音や見た目というパフォーマンスを真似ることを第一義とし、その過程は師匠から盗むもの、各自工夫し稽古し修行し会得するものだったのだろう。名人にしか分からないコツは奥義とされ伝えられることすらなかった。

そのためか、音楽は伝える言葉が貧弱な気がする。また具体的でなく感覚的な言葉も多い。感性のものだから当然なのかもしれないが、分かりたい、できるようになりたい身としてはもどかしい。

もっと動きを!